「…」 沙弥はもちろん声は出さなかったが、 口パクでこう伝えた。 【大丈夫】 「…うん」 すぐに水華は立ち上がり、 再びモニターを見上げた。 そこには、広田が残したダイイング・メッセージ。 【vt0】 水華は頭を抱えた。 (沙弥…考えても分からないよ… 時間が…ないのに…) 水華の様子を見ていた木本は、 「ごほん!」と咳払いをした。 ―――残り、1分23秒。