(岬は…もう…!) 金石は静かに微笑んだ。 (やっぱり、岬はすごいや…。) すると【カキクラ】が口を開いた。 『…沙弥さまの辞書に、 【あきらめる】の言葉を入れる瞬間が来ますね。』 目を輝かせて、【カキクラ】は勝ち誇ったように言う。 それに対して沙弥は、 「…あんた、【バカ】って言葉知ってる?」 と言い放つ。 『もちろん存じ上げておりますが。』 【カキクラ】は、 もう最後の一文を打ち終えようとしていた。 「だったら、気付くはず。」