「…瞬殺だったなぁ。
まぁ、初心者にしては耐えた方かな。」


いかにもつまらない、といった様子の金石。


「ホント、弱いなぁ…。
俺を楽しませてくれるヤツ、出てこねぇかな。」


ぶつぶつと文句を言う金石の頬に、
わずかながら涙が流れた。


『金石』が言葉にした感情とは裏腹に、
金石は泣いていた。


まだ信じたかった。
「岬はまだ死んでない」、と。


自分を助けようと考えを巡らせていた岬を、
この手で……………。


金石はギュッと目をつぶった。


(頼むから、生きていてくれ…!!)


祈るしかできない自分が情けない。


自分でどうしようもない、
自分だけでは何も出来ない。


とてもつらい…………。