《この呪文は、
私が厳選したものです。

サヤ様にとても適していて、
それでレベルも最高ランクのもの…。》


「えっ、あっ、
ありがとう!!」


前にもウサギが言っていた、「時間がない」という発言が、
少し前から気になっていた。


そのことを考えていたら、
ウサギの言ったことを聞き逃しそうになってしまったのだった。


そして、ウサギがそっと2つの呪文を口にした。


沙弥はそれを一言も漏らさないように聞き取り、
頭に叩き込んだ。


《…最初のは“雷”系の呪文です。
威力がとにかくものすごいのです。

2つ目のは“光”系の呪文。
これこそサヤ様にピッタリの、
いや、サヤ様に『しか』できない魔法です…。》


「あたし、だけ…?」


《はい。
2つ目のは、
あなた様のご両親が編みだし、
あなた様だけに託した呪文…。

この2つが、
私からあなたへのプレゼントです…。》