“そんな程度では、これから先が危ぶまれますよ” 沙弥の脳裏にふと、ウサギの言葉がよぎる。 (…『こんな程度じゃ、ゼロたちに負ける』ってこと? 『負ける』…? あんなヤツらに…? いきなり日常を奪われて、 色んな事実をつきつけられて、 『ゲーム』と称した『死闘』を訳も分からず強いられて…。 それなのに、 なんであたし達が負けなきゃいけないの…?) 「そんなの…絶対嫌だ!!!」 前をキッとにらみ、 沙弥は無意識のうちに言葉を口走った。