『では―――… 始め!!』 放送でゼロの声がした。 そしてその瞬間、 沙弥の指はキーボードの上をすべるようになめらかに、 かつスピーディーに、 動き出した……。 【カキクラ】もまた、 同じように動き出す。 「…す、すげぇ。」 思わず口から出てしまう。 金石同様、水華も木本も驚きを隠せない。 「同じ人間とは思えない速さだよね…」 水華が呟くのを聞きながら、 沙弥は黙々とモニターの文章を打ち出していた。