「ふぅ…。
ひとまず別れられた…。」


ホッと息をつく沙弥。


…今、沙弥は森の上空を飛んでいる。


「…にしても、
焦ったなぁ…。」


『何かが違う』という違和感は、
特に変わったところもないと思っていた金石から感じられたものだった。


だがそれは、
無意識的に『いや、それは気のせい』と、
どこかで否定していた。


「まさか…ね。

金石が変な『金石』になってるとは。

あれ、『誰か』に乗っ取られたってことなのか?」


いずれにせよ、
『助ける』と言ったからには助けるしかない。