徐々に高度を下げ、
ホウキから降りた。


「…ふぅ。
筋肉がない腕には堪えますなぁ。」


と言いながら右腕をさすった。


「にしても、
これからどうしよう?」


いざ城に着いてみると、
人も出てくる気配がないし、
何も起こらない。


ただ、のどかな鳥たちの声と、
周りの木々のざわめきが聞こえてくるだけだ。


「うーん…。
やっぱり、中に入るしかないか…。」


「入ってください」と言わんばかりに、
微妙に正面の扉が開いていた。


(何かの罠かもしれないけど…。
あえて中に入っちゃおう!)


そんな軽い気持ちで、
扉に近付き、ノブに手をかけた。


…ギィィーッ。


ホラーチックな音を立て、
その扉は開けられた。