「魔法って、やっぱりすごいなー!」


風を切りながら、
沙弥は城へと向かっていた。


…【ホウキ】に乗って。


「【ナガタ】には感謝しないと。」


沙弥が拾った【ナガタ】の手帳には、
空を飛ぶためのホウキの出し方や、
攻撃できる呪文、
その他もろもろの役立つ呪文が書かれていた。


…というわけで、
沙弥は今、ホウキに乗って森の上を飛んでいる。


「…どうやら今は、
正午すぎらしい。」


太陽が高いところにあるのを確認して、
沙弥は少し考えた。


「…早く着くに越したことはないね!

【風よ、我を城へと導け。
…加速。】」