《…そうだ。 お前には、 『俺』が足りなかったんだ。 ずっと離れていたんだ…。 だけど今、やっと元に戻れた…。》 (………。) 金石の思考能力は止まった。 「…俺だ。 俺こそが俺なんだ。」 ポツリと呟く。 そして…。 「【開け、新たなる世界】。」 その瞬間、 周りの景色はガラッと変わって、 元いた場所へと移動していた。 スッと、 金石は城のてっぺんに立つ。 「…お待ちしております、 姫。」 遠くまで広がる緑の景色を眺め、 金石はにやっと笑うのだった……。