この【箱】は、
直方体の形をしていて、
けっこう広い。


天井は高いし、
さっき金石が倒れていた壁際から奥の壁までは、
50メートルくらいある。


横幅も35メートルほどだ。


「出入口とか何にもないのに、
どこから水が出てくるんだ…?」


金石は壁づたいに歩いて一周してみるも、
水が湧き出ているところは見当たらなかった。


なのでもう一度、
水の音を耳を澄まして聞いてみた。


「……。
なんか、【箱】全体から聞こえてくるみたいだな。」


水の音は壁に反射し、
耳を澄ましてもどこからかは特定できない。


「どうするか…。」


とぼとぼと【箱】の真ん中まで歩いていくと…。


…ピチャッ。