(………。)


ピチャン。


…ピチャン。


(……ん?)


響き渡る水のしたたる音に、
金石はようやく気が付いた。


「水……?」


体を起こし、
見回すと、あたりは薄暗かった。


「【コンクリートの箱】、みたいだな…。」


一見、使われなくなった倉庫のようだが、
シャッターや窓などは何もない。


あるのは、壁の上の方に取り付けられたいくつかの電球だけ。


「そういや俺…ワープでもしたのか?」


さっきまでいたところとは全く違う光景に戸惑いはあったものの、


行動を起こさない限り、
何も変わらない。


「…ひとまず、歩いてみるか!
水の音がどこから聞こえるのかも気になるし。」