「…【ナガタ】って書いてある……。」


【ナガタ】、手帳落としていったぞー。


「いやー、ありがとう!【ナガタ】。

貴重な情報源をどうも。」


と、一応お礼を言ってみる。


あたしはそれを腕に抱えると、
再び先の道へと進んだ。


すると、
少し小高い丘のような場所に着いた。


全く見えなかった先の方が、
だいぶ見える。


「あれは…。」


あたしの目に入ってきたのは、
白い城。


中世ヨーロッパを感じさせる、きれいな城。


「よし!

じゃあ、
城を目標に頑張りますか!」


あたしはとりあえず、
城を目指して走り始めた。


青空のもと、
心地よい気温、風の中を走るのは気持ちいい!


自然と顔がほころんでいるのには気付かないまま、
道をひたすら走っていった―――…。