…あった。
倉庫のドアノブに手をかけ、
回してみる。
ガチャッ。
「開いた……。」
(倉庫って、常に開いていたのか…?)
少し疑問に思いながらも、
中に入る。
ポケットに入れていたケータイを取り出して、
その明かりを頼りに毛布を探した。
「毛布、発見。」
(岬と金石の分も持っていってやるか…。)
木本は人数分の毛布を手に抱えると、
倉庫から出て、
再び階段を上った。
(上り下りは疲れた足に堪えるな…。)
そして、ようやく3階に到着。
沙弥と金石のいる教室に向かい、
ドアを開けた。
「岬、金石。」
名前を呼ばれた2人は、
ベランダから顔を覗かせた。


