(じゃあ、 あれを見たのは……。 小学生より前のとき?) そして、金石は口を開いた。 「よく考えたら、 俺、小学生より前の記憶がない。 …けど、 おそらくその頃に、あの写真の風景を見た。 もしかしたら違うかもしれないけど、 多分そうだ…。」 それを聞いて、 沙弥は「やっぱり」と言った。 「何が?」 「金石にも、 どこかあたしと同じような感じがしたから…。 だから気になって聞いてみたら、 やっぱりそうだった。 『小学生より前の記憶がない』 これ、何か重要な意味がある気がするんだよね。」