「俺の目が赤くなった?!」
どうやら金石は、
さっきのことを覚えていないらしい。
「えっ?
覚えてないのか…。
じゃあ、
金石は過去の記憶はちゃんとある?」
突然妙なことを聞かれ、
金石は不思議そうな顔をした。
しかし、
沙弥の目には真剣さが表れていて、
少し思い出してみるか、という気になった。
(…『過去の記憶』か。
そういや俺、小学生より前のこと全く覚えてないな…。
ただ単に、忘れてるだけだと思うんだけど。
………。
でも、サイトで見たあの写真に見覚えがあったのは…。
俺が記憶している中では、
あんな風景を見たことはない…と思う。
そもそも城なんて、
見ないよなぁ…。
今まで生きてきた中で、そんな機会なかったもんな。)


