「!!」
金石は驚いたようだった。
(金石…。
さっきの赤い瞳…。
なんだか、悲しげだったよ。
あたしみたいに過去に何かあったとか、
魔法に関わりのある何かを経験したとか…。
もしそれが本当なら、
それはきっと、
金石にとってはつらいものなんだろうね…。)
そう思いながら、
目を伏せ、無言でいる沙弥。
金石はというと、
驚きで目を見開いたまま。
「み、み、岬…。」
やっとのことで声を出すと、
沙弥はハッと我に返った。
「岬…。手…。」
「…えっ。…あっ!」
沙弥はパッと手を離した。
「ごめん…。
さっき…。
金石の目が赤くなって、
意識もないみたいでさ。
金石にも何かあるのかな、って考えてたら…。」