「遅咲きなんだよ、金石はさ。

そんなに思い詰めないで。」


金石の肩をポンポンと叩いた。


金石は黙っていたが、
突然顔を上げて、
沙弥の手を掴んだ。


「えっ!?なにっ?」


沙弥は慌てた。



(金石が…変だ……。)


すると金石は、
沙弥にしゃがむように手を下に引っ張って促した。


沙弥はそれに従った。


2人の目線が重なる。


その時、沙弥はあることに気がついた。


(金石の瞳が…。

赤くなってる……。)