「これで服も乾くだろ?」


と沙弥はウインクしながら言った。


(そ、そりゃ半端じゃない速さで食堂に向かってるんだから、
乾くだろうけど………。


めっちゃ怖いよ………。


空飛んじゃってるし………。)


そして、
あっという間に食堂の前に着き、
沙弥と金石はゆっくりと地面に下ろされた。


「ありがとね、風〜。」


沙弥は実体のない風に手を振った。


「…一石二鳥、ってか。」


金石の服は、
ほんの数秒間でばっちり乾いていた。


(余計寒かったような…。)


そうは思ったものの、口には出せず、
食堂に入っていく沙弥の後を追っていくのだった。