何かをひらめき、
妖しい笑みを浮かべる沙弥。


「乾かせば、いいんでしょ?」


「なっ、何するんだよ?」


(少し寒気を感じるのは気のせいだろうか…。)


「実践あるのみ、だしね!
…さっさと行きますか。

『風の精霊よ、
我らを食堂へと導け。』」


ゴーッと吹き出す強い風。


すると、
沙弥と金石の体がふわっと浮いた。


「う、うわっ!」


ビビる金石。


「わー、魔法はすごいなー。」


テンションが上がる沙弥。


「全速力〜!!」


沙弥が食堂の方向を指さすと、
何かに引っ張られるように、
沙弥と金石はものすごい勢いで食堂へと飛ばされていく。