「ヤツには居場所もバレてるんだね…」


水華がポツンとつぶやく。


『先生たちは無事だよ。ほら。』


男がそう言うと、
先生たちの声が聞こえてきた。


『…逃げ…ろ…』
『は…や……く』


先生たちは、意識が朦朧としているためか、
少ししか言葉が発することができないらしい。


「ねぇ金石、今のはテープっぽくなかったし、
今先生がしゃべったってことだよね?」


沙弥は金石に聞いた。


「そうだろ。テープじゃないし、
第一あんな演技できる先生を俺は知らない。」