「おい、岬。
4階に来たはいいけど、
肝心の鍵がねぇじゃねぇか。」


4階に来た時、
まず金石はこう言った。


もちろん、金石らしくないほどすごい小声で。


…あたしは当然、教室の鍵なんて持ってなかった。


でも………。


「大丈夫だから!」


って言って、
金石を405教室の前まで引っ張っていった。


フッと笑い、あたしはブレザーのポケットから秘密兵器を出した。


「1年5組の教室は、高1の時に実験済みなんだよね〜。」


ニヤリとしたあたしを見て、
金石はあきれてた。


「このヘアピンで、ここをこうすると…。」


カチッ。


開きました、開きました!