彼が彼女になった理由(ワケ)

形はデコボコ。
色は焦げ茶。
匂いはまぁ、合格ライン?

味は多分よし。

『出来た…』

朝から作り始めたチョコクッキーは正午になって、ようやく完成した。

後は冷ましてラッピング。
確か、去年のあまりがしまってあった気が…

『あったあった。』

ブルーの袋に赤のリボン。
ラッピングを終えてみると、去年をリピートして見てる気分だった。

綾斗のために甘さを抑えたクッキー。
今年こそ食べてくれるかな…




綾斗の家までは歩いて15分の距離。

綾斗に会ったら何て言おう。
まず「ごめん」って言った方がいいよね?
それから何て言おう。
「私もずっと好きだった」

…って綾斗は本当に私の事、好きなのかな?
「気が変わった」なんて事にならないかな。

考えれば考える程、マイナスになっていく。

15分の道のりが1時間に感じる程、気が重い道のりだった。


ようやく着いた綾斗の家(ウチ)。
なんとなんと、鍵がかかっていた。

『なによ〜…』

避けられてると思うのは、あまりにも被害妄想すぎると思う。
でもそんなふうに思っちゃうよ。

綾斗があんな怒った顔するから…

でも1年に1回しかないチャンス。
今日を逃したら次はまた1年後になってしまう。

鞄の中に入れたチョコの無事を確認して、玄関前へ腰を下ろした。

1年後なんて待てないよ。
早く綾斗との事、ハッキリさせたいの。