絵里の予言通り午後早い時間に雄治はやってきた。

珍しくあたしの隣に腰をおろして話しだした。


「西田姉さん、新とこないだどうだった?」

「こないだ?」

ギクリとした。

「四人で飲んだ日、俺、絵里と帰っちゃって新と西田さん置き去りにしたからさ」


なにも。とあたしは答えた。

報告するようなことはない。

ただココアを飲んだだけだ。


「ふーん。マジであんな深夜に二人っきりなのに、あいつ何もしなかったんだ。あの息をするようにオンナを口説くオトコが。まあ、西田姉さんに手出すのはさすがに俺も躊躇するからね」


何もされなかった。あのとき、新のほうからは。


「いや、でもマジな話、男同士の飲み会ではゆかちゃんゆかちゃんってうるさいけどね。マジ惚れしてたりして。あいつマジになると手出さないから」


また、心臓が、止まった・・。


そうあって欲しい。新があたしを好きでいてくれたら。どんなに世界が明るくなるだろう。
でも現実は・・。

あたしが独りよがりな気持ちを新にぶつけただけ。


「ま、今日も飲み会あるしあとから新に聞き出すとして。ああ、俺ここに来ると飲んでばっかりだ。西田さん、あいつも来るけど。行くよね?」

「うん・・・」


「新、喜ぶと思うけどな」