「今日雄治さんからメールがあってまたこっち来るみたい。
私部長のことチクっちゃお。
彼、私のいうことなら聞いてくれるはず。あーもう。あの部長どっか飛ばしてくれないかなあ」


絵里ののしたたかさ。オトコは絶対叶わない。

オンナの武器を駆使されたら部長だって絵里のほうに寝返る


この潤んだ瞳に見つめられたら。

甘い声でささやかれたら。



-口だししたら、あたしだけが悪者かな-





あたしはあきらめた。

絵里の生活に口を挟む義理はないはず。


「帰り雄治さんとか部の人と飲みに行きますけど先輩行きますよね?せっかくおしゃれしたんだし」

「そう、ね」

「新ちゃんも来ますよ、きっと」


あたしは髪をかきあげた。



さらりと額におちかかる。