「会社以外でね」

「うん?」

「あんまり人と話さないから。仕事以外の話題がなくてつまらないかもしれない」

「楽しませるのも俺の腕次第ってことだね。ニコニコして座ってりゃいいさ。今日のゆかちゃんにはその権利があるよ」

「井上さんにあたしを楽しませる義務はないわ」

「難しいこというね。なんか嫌なことあった?」




あたし、かわいくもないし地味だし。


あたしは言葉を飲み込んだ。

自分の感情がたまらなくいやらしかった


あたしは新にそんなこないと言ってほしがってる。





かわいいと思われたがってる。




夫のことも美樹のことも忘れていた。