ここに来るのは2回め


限りなく続くかように敷き詰められた石畳。

生命力に溢れた木々。

何千年の時を越えて続く道。

熊野古道は変わらずそこにあった。



荘厳さをたたえて。





-あたしのこと、迎えてくれた?


平日のこの道を訪ねる人々は年配の夫婦らしきカップルが多い。


定年後の楽しみ。

あたしたち夫婦の未来にこんな穏やかな時間はあるだろうか。


たった一人、この道に佇むあたしは風景に溶け込む?

それとも異分子として排除される?




木々は太陽に向かって手を伸ばしてあたしのそんな思惑は意に介さない。