新の部屋についた。マンションのワンルーム。
一人暮らしの、オトコの部屋。
鍵を開けて中に入ったけど新は電気をつけずにあたしを抱えて、真っ暗な部屋の真ん中におろした。
目が闇に慣れない。
新はあたしから離れて何かしていた。
しゅぅと音がして新のいる位置が明るくなる。
たくさんのキャンドルに火をつけて新はひとつずつ部屋の隅においていく。
温かさを感じる揺らめく光があたしと、新のいる場所を照らしていた。
「毛布、一枚しかないんだ」
「いいの。あたしはどこかすみっこにいるから」
「凍死するだろ?今は12月、今日は25日、一番寒い時期だ」
ばさりと毛布を広げて新は自分とあたしをくるんだ。
「寒さをしのぐだけだから」
体温がじんわりと毛布を伝ってきて、あたしは新のほうに体を近づけた。
「プワゾン」
「え?」
「プワゾンの香りがする。今、この中」
「ほんの少しだけ香水つけてるから。でも、つけてからずいぶん時間はたってる」
「罪の香りだ」
POISON、毒を含んだ濃厚な甘さの香水。
セクシーで男の心を惑わす香り。
罪と毒。
あたしは地獄に堕ちるのかもしれない。
けど、今、この時間 確かにあたしは幸せだった。
一人暮らしの、オトコの部屋。
鍵を開けて中に入ったけど新は電気をつけずにあたしを抱えて、真っ暗な部屋の真ん中におろした。
目が闇に慣れない。
新はあたしから離れて何かしていた。
しゅぅと音がして新のいる位置が明るくなる。
たくさんのキャンドルに火をつけて新はひとつずつ部屋の隅においていく。
温かさを感じる揺らめく光があたしと、新のいる場所を照らしていた。
「毛布、一枚しかないんだ」
「いいの。あたしはどこかすみっこにいるから」
「凍死するだろ?今は12月、今日は25日、一番寒い時期だ」
ばさりと毛布を広げて新は自分とあたしをくるんだ。
「寒さをしのぐだけだから」
体温がじんわりと毛布を伝ってきて、あたしは新のほうに体を近づけた。
「プワゾン」
「え?」
「プワゾンの香りがする。今、この中」
「ほんの少しだけ香水つけてるから。でも、つけてからずいぶん時間はたってる」
「罪の香りだ」
POISON、毒を含んだ濃厚な甘さの香水。
セクシーで男の心を惑わす香り。
罪と毒。
あたしは地獄に堕ちるのかもしれない。
けど、今、この時間 確かにあたしは幸せだった。