オフィスの窓からは巨大なビル群が見える。

この会社に入ったときもこの窓から外を見た。

都会を足元に置いた気でいた。

将来はキャリアを積んで、温かい家庭があって、自分に迷いなんかないと思ってた。

疑うこともなく・・・。


こんな日は幸せな家庭持ちは家に帰って子どもたちのためにプレゼントを靴下に入れてる。

恋人たちは寄り添って眠りについてるころだろう。



だから、あたしはここに来た。



今、泣くならこの場所が一番適してる・・・。



むせびあげた。




ひくっひくっと喉が鳴って声を立てずにそっと。