「ねぇ、マサキさん」 足踏みしながら振り返ったマサキさん。よほど会社に行きたいんだね。 「奥さんって恐い?」 「怒ったらね」 マサキさんは自慢するみたいに言った。 「なんでそんな事聞くの?」 いや、マサキさんと私が一緒に寝てる写メ、奥さんに送っちゃったから。 「ん。なんとなく」 「そっか」 マサキさんは部屋のドアが音を出さないように閉めた。 彼は優しかった。