「でも、本当は僕」

そして、
思い出の中に混じってくる現実の高志の声。

「こうじゃなくて、先生を持ち上げられるような抱っこをしたいんですけどね」

背、
もう少し伸びたら絶対するのに・・・・・・。

弓倉にまわされた手に、
ちょっとだけ力が入り、

「よいしょ」

高志のささやかな努力が施された。

瞬間。

「可愛いなっ、おまえはっ!!!!」

逆に高志を抱き上げる弓倉がそこにいた。

「先生っ、なに怒ってるんですっ?」
「おまえが悪い、おまえがっ!!」