高志にむけて、すっと持ち上がった弓倉の片腕。
目を閉じたまま高志のそばの地面を叩き、
高志の髪の先に触れて、高志を見つけると、さわさわと頭を撫でる。
「寝るのは一人でもできるからな」
弓倉は指の先で高志の髪を摘むと、こよりを編むようにくるくるとひねって遊ぶ。
何が面白いのか、ひねっては放し、ひねっては放し、同じ動作を続ける弓倉の指。
「少年、何かしたい事があるなら言ってみろ。今しかできないこと、いつでもできること、どちらでもいいぞ」
「今は特にないです」
高志は弓倉の横顔と、高志にふれる弓倉の指を見つづける。


