まったく、本当に、変らない先生。

「じっと見てたら後で怒るくせに」
「まあな」

「で、余所見をしてても怒るじゃないですか」
「あたりまえだ」

「じゃあ、僕はどうすれば?」
「苦労してくれ」

無駄な交渉。
先生は、楽しそうに僕の言うことを受け流す。

「はあ~」
「納得したか、少年?」

「ちょっと言ってみたかっただけですから、もういいです」

「ふふ」

そこで先生がまた笑う。