「起立、礼っ」 考えているうちに今日も授業が終わる。 弓倉は何事もないように教材をまとめると、高志の顔など見ないまま廊下へ出て行った。 休み時間の喧騒が始まり、 高志は今度は少しだけ大きく息をついた。 「はあっ」 付き合ってるのが普通の同級生だったら、楽なんだけどな……。 と、想像する。 普通に告白しあって、普通に付き合う。 会いたいときに会って、話たいときに話す。 それができたらどんなに嬉しいだろう。