「草壁さん、すごいっ」

「相変わらずの最速書記能力ね」

「私、見てる間、ずっと息をとめちゃってたよ」

役員が半分、
有志の手伝いという野次馬が半分、

ひっくるめて女生徒の友人達である。

「おだてる前に自分の仕事をしてね」

女生徒は奢るでもなく、
照れるでもなく、
その友人達に落ち付いた声で言う。

眼鏡を机の横に置いたケースにしまい静かに閉じると、

普段から姿勢正しく伸ばした背中で、綺麗に切りそろえられた黒髪が揺れる。

それを見てまた息をつく友人達。