架空の高校。
生徒会の役員室。

女生徒がすらすらと帳簿に文字を連ねている。

使っているのはボールペン。

書き損じは不味い記録物だというのに、
女生徒は真っ白なページに下書きも見本もなしで、

誤字脱字を全く恐れぬペースでいきなり正稿を書き上げていく。

そして、
最後の行の最後の文字。

句読点の『。』を書き終えたところではめていた眼鏡を外し、顔を上げた。

とたんに響く感嘆の声。

いつのまにか他の生徒達が女生徒を囲んでいる。