弓倉を見ながら、
椅子の上で高志は仕事の終わりを待つ。

じっと待っているのは退屈な上に疲れるので、

高志はゆらゆらと身体を左右に揺らしてリズムをとる。

ゆ~ら、ゆ~ら。

でも車、いいなあ~。
少なくても歩いてるよりはいいよな~。

免許をとるのって難しいのかな~。
先生はいつとったんだろう~。

免許をとるとき苦労したのかな~。
それとも簡単にとれたのかな~。

先生っていえば、
このあいだ棚であたまぶつけてたし~、

その前は原っぱの罠で転んでたし~、
結構苦労したのかも~。

それともそういう先生でもとれたんだから簡単かも~。

そういえばその前はプリントの束をこぼして・・・・・・。

ズカッ。

「あうっ」

そんな気持良く揺れていた高志の額に刺さるボールペンの尻尾。

「揺れるな、気が散る」