閉じていた瞼を開いた。 あの時よりもうまくなっている。 しばらく聞いていた俺はあることに きずいた。 俺には無い。 俺にはできないことが。 兎にはある。 兎はどんなつまらない 歌でも自分なりに 楽しく歌おうとする。 今だってただの練習なのに 気持ちを込めて歌ってる。 愉快な歌ならホントに 愉快に歌う。 兎の歌には 人の心にすんなり入り込める 力がある。 俺にはできない。 俺には無い力。 でも、今の兎はどことなく いつもの兎じゃない。