「くっそッ!」

俺は兎を探していた。

いつもいる図書室にはいないし

教室にもいないし…

その時、俺はレッスン室の前にいた。

どこからか聞いたことのある

歌声が聞こえてきた。

「兎…?」

声のする方に近づいて行くと

やはり兎の声だった。

また上手くなってやがる。

レッスン中はさすがに入れない俺は

しばらく聞いていた。




兎の声は奇麗で透き通っていた。

俺はカルメンを歌ったことを

思い出した。