「涼、目をあけてよ。お願い、目をあけてよ」 私やゆりちゃんや、バンドのメンバーの願いを聞き入れて、事故から1週間後、涼は目をあけた。 でも、目をあけただけだった。 それから7年の月日がすぎた。 担当医は、おそらく涼には意思がないという。眠っているか、起きているか、ただ単にそのどちらかだという。 でも私には、涼の意思が伝わってくる。 私は涼と毎日話す。涼は毎日、私に意思をちゃんと伝えてくれる。