ポツポツポツ。

天井から滴り落ちる水滴。
錆びついた鼻を刺す臭い。
両手を縛り上げられた章大。
うっすらと目をあける。
地べたに座り込む二つの陰。
聖と雄一。
 
  
「やっとお目覚め。」


煙草の煙を章大へと吹きかける仁。
咳きこむ章大。
仁を睨む目。
   
「何?まだそんな元気あったんだ。」

章大の腹部を蹴り飛ばす竜也。
痛みで顔を歪める。
  
「あらら。そこまでやらなくても。目的はこんな坊やじゃないのに。」

怖いくらいの笑みをこぼす淳之介。
   
「さっきから何ねん。坊ややと。人をバカにするなや。」

冷たく言い放つ章大。

   
「お前さ。そんな立場で大きくでるね?お前こそ今の立場わかってるのかな?」


吸っていた煙草を章大へと投げつける。
頬をかすめる煙草。
   
「そのくらいにしとけ。目的はそいつじゃない。」

凍りいた目。
冷たい口調の和也。

   
「目的って何やねん。」
「お前には関係ねぇよ。」


憎しみのこもった目で言い放つ。
   
「ここまでしといて関係ないの一言で締めくくるなや。」
「やぱっり君。立場わかってないね?」

章大の前にしゃがみこみ顔を掴みあげる仁。
   
「少しは静かに待ってられないのかな?」

微笑かける。
負けずに睨み返す章大。
   
「やめとけ。」

拳を宙へと振り上げる仁の手を止める和也。