信五の去った病室はいつもの時間を取り戻す。 オレンジ色の陽が光一と剛を包む。 静まり返る部屋。 規則正しい機械音だけが存在する。 光一の手を握る剛。 「…光一…。」 反応のない光一の手。 温もりだけが伝わる。 「…いつまで…いつまで…待たせるんや…。」 さっきより強く光一の手を握る。 俯く剛。 その顔は泪に濡れ頬をつたい流れ落ちる。