夏休みの補習の後、仲の良い四人で固まり、教室の片隅でお弁当を食べていると、目を閉じたまま箸をいっこうに動かさない彩に気づいた。 「彩…?どうかした?」 愛菜(あいな)が心配そうに声をかけると、目が覚めたようにピクリとした彩は笑って答えた。 「え?何でもないよ」 明らかに不自然な空気に気づかないふりをしながら、彩はお弁当をつつき始めた。 午後の補習が始まっても、彩は相変わらずだった。