当然のように私の横に座りながら、翔平は冷たいコーラを渡してくれる。 栓を開けるときの、プシュッとはじける冴(さ)えた音は、曇ったように鈍かった街の喧騒を、鮮明にした。 目の覚めるような刺激が、喉を通る。 ぼんやりと温(ぬる)い初夏の夜の闇に、私は目を伏せたまま、冷たいため息をつく。 「今日、なんか自信なさそうに歌ってたねえ」 独り言のように、翔平が言う。