「司沙、もう大学決まったの?」

「…まだ。考え中」

「もうすぐ三年生なんだし、そろそろちゃんと考えなきゃだめよ」

「うん、分かってる。いってきます」



毎朝恒例のお母さんとの会話は、まるで挨拶のように、いつも同じ言葉で紡がれる。


高校二年生の生活も秋を迎え、お母さんが焦りだすのも無理はなかった。