その日も、バイトだった。
僕が学校を出るとき辺りから雨が降りそうで、誉木は『傘がない』と嘆いていた。
だから、コンビニに寄って
誉木が濡れないように、ビニール傘を買った。
学校につく頃には雨は本降りになっていた。
「常葉ー、誉木は?」
僕は、校門近くにいた常葉に聞いた。
「それがさぁ、昼休み終ってからからいねんだよ」
嫌な予感がした。
その予感を逆なでるように、甲高い不快な声がした。
「摺月ー!」
山羊だ。
「来てたんだぁ!あのさーアケさーぁ?摺月に話しあるわけー。ちょーっと、いい?」
僕が返事をする前に、山羊は僕を体育館前につれてきた。
うちの学校の絶好の告白スポットだ。
「俺もお前に聞きたいことあんだよ」
「奇遇じゃん!アケが先でいーい?」
「ああ」
少しためて、山羊は言った。
「摺月が好きなんだぁ」
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