サクラ咲く頃に

「これ。俺のケー番とアドレス」




つかまれた手のひらに、一枚の紙が置かれた。





「あっ……うん」





私が返事をすると





私の返事を、待っていたかのように





裕樹くんがいきなり椅子から立ち上がった。






意外にも身長が高い裕樹くんは





私を充分見下ろせるくらい。





「またな」





ちょっとつり上がっている目が垂れて、その容姿には似合わない位に





優しい笑顔になった。





「うん」




授業が始まっちゃうといけないから





私は走って教室を出た。