ジオラマの日常



カズにぃは、小さい頃からカメラがすきだった。
たまに、あたしもカズにぃのカメラに触らせてもらえたし
カズにぃの影響で、あたしは高校で写真部にはいった。


カズにぃの写真がすきだった。
カズにぃの写真は、当たり前の風景がキラキラしていた。
同じ風景を見たはずなのにあたしの視界では見えないなにかがいつも光っていた。

そんな、あたしの視界では見えないなにかをあたしに見せてくれるカズにぃの写真がすきだった。


そして、あたしは写真がすきなカズにぃがすきだったのだ。



「どうして?だって、言ってたじゃん!写真で食っていきたいって」

「ガキの頃の話だろ?写真なんて収入安定しないし、ていうか俺には才能ねぇから無理だよ」

そう言って苦笑するカズにぃの目は、どんよりと曇っていた。

あの頃のレンズを覗いていたカズにぃの瞳は今はもう、ない。