ジオラマの日常



「カズにぃ、きてたんだ。なんか久しぶりだね」

「あぁ、最近会社が忙しくてなかなか遊んでやれなかったもんな」

そう言ってベッドに寝転んだカズにぃは、なんだか酷く色褪せてみえた。


前はもっと溌剌としていて、少なくともあたしの前ではため息なんて絶対につかなかったのに。


「なんか変わったことあったか?」

「バイト始めたよ」

「へぇ!どこで?」

「近所のファミレス。怒られてばかりで嫌になる。まぁお金はいってくるから、とりあえず行ってるよ」

あたしが嫌な顔してそう言うとカズにぃは大人の顔をして笑った。

「ハハハ。まぁ、それが社会ってやつだ」