「ところでアンタ……ちゃんと女として踊れるんだろうな?」

耳元でゼンが呟く。
そういえばここ何年も、自分は男性として踊ってきた。自分がずっと、淑女たちをリードしてきた。
少し考えて、リアも小声で返事をした。

「一応、教養としては習っている」

女性として夜会で踊るなんて、一体何年ぶりであろうか。

「……お手並み拝見」

「……貴様こそ、普段の私より下手だったら靴を踏みつけてやるぞ」

不適に呟くゼンに、リアも小声で言い返した。
お互い口元に笑みが浮かべる。

ホールの端に進んで、ゼンはもう一度リアの手に口付け、その腰を抱いた。

ドキンと、リアの胸が高鳴る。自分がいつも平気で淑女たちにしてきたことをされている。
自分が本当に、今、女としてここにいるのだと思うと、リアは鼓動が早まるのを感じた。

音楽が始まり、2人はゆったりと動き出した。